
どうも、麻野貴志です。
ビジネスにおいて「商品開発」はめちゃめちゃ重要です。要は売るものなわけですから、これがないと商売として成り立ちません。ここで言う商品とは、目に見える商品だけでなく、サービスや情報なども全て商品です。
いまの時代であれば商品自体を作ることはそれほど難しくはありませんが、「どんな商品を作るべきか?」はいつの時代も悩ましいところです。
そこで、今日の記事では「極限まで成功率を高める商品開発の方程式」についてお伝えします。まずは前提条件から覚えておきましょう。
前提1:何が欲しいのか?それは顧客に聞くべし
「絶対に売れる商品とは何ですか?」と聞かれたら、これです。顧客がお金を払ってでも欲しいと言ってくれたものを、提供すれば良いのです。
どういう商品があったらお金を出してでも買ってくれるか?をターゲットとなる顧客に直接聞き、その答えてくれた商品を開発して売れば良いということですね。
顧客自身がお金を出してでも欲しいと言っていることなので、ほぼ確実に売れます。考えてみれば当然ですが、これを徹底して行っている企業は極少数と言えるでしょう。特にネットビジネス業界では、顧客の声を聞く姿勢なんて1つのパフォーマンスくらいにしか捉えていないところが多いです。
例えばですが、30代主婦の数十名に声を聞いたところ、「手荒れを改善してくれるクリームが欲しい」という意見が多数だったとします。
具体的には、こんな声だったとします。
「毎日洗い物をしているので手が荒れてしまう。既存のクリームではこういった欠点があるので、それを補った形の商品があればお金を出してでも欲しい」
であれば、その欠点を補う形のハンドケアクリームを販売すれば、ほぼ間違いなく売れるでしょう。なにせ、「これがあったらお金を払ってでも欲しい!」という商品を、そのまま提供するわけですから。
このように、ターゲットとなる顧客に直接欲しいものを聞く、という手段があるわけですが、これだけでは完璧な商品開発とは言えません。もう一段階、商品を進化させなければならないのです。
前提2:顧客の言う通りにすると満足度が下がる
上記で説明した前提条件1だけでも、新規を獲得するという意味ではOKだと思います。しかし今のビジネス事情を考えると、新規だけを取り続けるビジネスは相当苦労することが目に見えています。
今の時代、「いかに新規を獲得するか?」ではなく、「いかに一人のお客様に長く利用してもらうか?」という考え方が重視されています。俗に言う「LTV(ライフタイムバリュー)」ですね。
つまり、商品を作る段階から「顧客のリピート」を意識して作らなければいけません。そして顧客のリピートの重要な要素となるのが「顧客満足度」です。
新規として商品を購入し、その商品の満足度が高くなければ、当然ながらリピートなんてしてくれません。他社の類似商品へと流れてしまうことになります。
「でも、顧客が望んでいる商品を作ったんだから、満足度は高いんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、実はそうじゃないんです。顧客の言う通りにすると、顧客の満足度は下がります。
その理由は、永井孝尚氏の著書「100円のコーラを1000円で売る方法」というマーケティング書籍に書かれています。
顧客満足度の方程式
例えば先ほどの「既存のクリームの欠点を補ったハンドケアクリームが欲しい」という要望があり、その通りの商品を提供したとします。
一見満足度は高そうですが、顧客満足度の方程式に当てはめると、なんと満足度は「0」です。言われた通りに作ったのに満足度が0とか意味不明ですよね。その答えは、以下の方程式です。
顧客満足度=顧客が感じた価値-事前期待値
ものすごいザックリ言うと、「想像していた通りの商品」が出てきても、顧客は満足感を得られないということ。
「既存商品の欠点を補ったクリームが欲しい!」(事前の期待)を受けて、「既存商品の欠点を補ったクリーム」をそのまま提供したとします。
すると、顧客が事前に期待していたもの、つまり想像通りのものを提供したことになるので、「顧客が感じた価値(100)-事前期待値(100)=0」となるわけですね。つまり満足度「0」です。
不満もないけど満足もしない。感動もしなければ怒りも湧いてこない。そんな商品が出来上がることになります。
一人の顧客から何度も商品を購入してもらうためには顧客満足度は必須なので、「顧客の声をそのまま取り入れただけの商品」では、まだまだ甘いということです。
前提3:顧客は自分の願望を把握していない
またもや前提条件ですが、そもそも顧客は自分の願望を把握していないのだと理解しておいてください。
僕たちは商売人として、顧客の裏の気持ちまで読みとって商品を作る必要があります。
先ほどから何度も例に出ているハンドケアクリームで説明してみます。顧客はハンドケアクリームが欲しいと言っていますが、それが100%願望というわけではありません。その背景にある、顧客の本当の願望を理解してあげることが重要です。
例えば、洗い物をしていて手が荒れてしまうのでクリームが欲しいと思っているということは、そもそも洗い物で手が荒れないようにすれば良いのでは?とも考えられますね。
洗い物の後にクリームを塗るよりも、洗い物とハンドケアが同時にできれば、時間的にも経済的にもお得です。
そこで、
「洗い物の汚れも落とせて、同時に手の荒れを抑え肌のキメを整える食器用洗剤」
を作ったとします。(実現可能かは知りません)
顧客はクリームが欲しいと言っているにも関わらず、一度それを裏切るわけです。
そうすると手の荒れはクリームで改善するしかないと思っていた顧客(事前期待値)に対し、全く新しいアプローチで根底の願望を満たす商品を提供することになります。
「顧客が感じた価値(200)-事前期待値(100)=顧客満足度100」となり、顧客の言う通りに商品を提供するよりも満足度が上がるということですね。
もちろん、これはただの例なので実際のところは顧客の声を聞いてみるまで分かりません。一応言っておきます。
結論:顧客の声を聞き、それを裏切れ!
これまでの3つの前提条件を整理してみると…
【前提1】何が欲しいのか?それは顧客に聞くべし
【前提2】顧客の言う通りにすると満足度が下がる
【前提3】顧客は自分の願望を把握していない
ここから導き出される結論としては、「顧客の声を聞き、それを裏切る商品を作る」ということになります。
まず、顧客の声を聞きます。これは絶対です。ここを主観だったり簡単なリサーチで済ませてしまうと確実に失敗します。どんな商品が欲しいのかは、ターゲット本人から聞き出します。
そして聞いた上で、その言葉は本音ではないと判断します。本音だとしても、自分の奥底にある願望までは把握できていません。顧客はヒントは教えてくれますが、答えは知らないのです。
顧客の表面的な言葉は無視し、その裏にある願望を読み取り、それにフォーカスした商品を開発します。それにより顧客の事前期待値を裏切ることになり、満足度が上がり、リピートも増えると予想されます。
ザックリ言うとこのような流れになります。ここまで徹底して顧客の声を聞き、その願望を読み解くことで、顧客が「満足」ではなく「感動」してくれるような商品を開発することができるようになるのです。
まとめ
なんだか今日はすごい堅い記事になってしまいました…ちょっと僕らしくないかもしれませんが、良く聞かれることなので記事にさせてもらいました。
商品開発は非常に大切です。顧客の悩みを解消した上で、満足してもらえるものを提供しなければならないわけですからね。
しかし逆に言えば、この壁さえ乗り越えれば、長く顧客に愛されるような商品を作ることができるということです。
これから商品サービスを作ってビジネスを始めたいという方は、是非この方程式を参考にしてみてください。
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